2017.09.17











遥かなる
水と緑が
紡ぐ日々







石巻線 鹿又-曽波神
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

家内と娘が一時期を過ごしてゐる病室より、
一献を煎じさせて頂きとう存じます。

新旧の北上川が離合し、豊かな水の流れに沃す、
大崎平野の東端に御座います。

間も無く稲も色付き、東北随一の穀倉地帯たる
面目の躍如する時期を迎うる事と存じます。

此の一年の、農家の皆様方の御苦労に思いを馳せつゝ、
今度は、より黄金色を濃くした一面の絨毯にて
野点をしてみたいものに御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。
2017.09.16










鈴虫の
声を聴きつゝ
腹重し






東北本線 岩沼
2017.9


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

重電機器を腹に据え、
此の日も夜の陸奥一人旅、

と云った処に御座いましょうか。

夜の空気は、虫の音と相俟って、
すっかり秋の気配に満たされてゐる、
庵近在に御座います。

斯様な中で、拙庵の中に目を遣りますれば、
未だ夏の盛りと申しましても
過言には当たらぬ程の娘の夜泣きが、
雷鳴の如く轟いて御座います。

台風が列島を縦断する、今週末に御座います。
何方様も、準備対策には予断を持たれませぬよう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.09.15











地平より
生まれたばかりの
陽に浴し







石巻線 小牛田-上涌谷
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

所謂、「編成写真」と云うものは、
苦手科目が多過ぎる中でも殊更に、
いつまで経っても苦手で御座います。

先達の皆様方の多くが訪れた此の地とて、
是だけドラマティックな時間帯で在るにも拘らず、

庵主の手に掛かりますと、
斯様な迄に中途半端なものになってしまうものかと
些か落胆してゐる処で御座います。

併し是は是で、次に訪るゝ際には
こう云う一献に仕立てよう、と云う、
明確な課題が見つかりましたので、
佳しとさせて頂きとう存じます。

当に、“御茶を濁す”が如く在り、
恐縮至極に存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.09.14











雨纏い
夜通し勤める
職場にて







東北本線 岩沼
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

娘はどうも、起きてゐる間はほゞ泣くのが
仕事の様で御座いまして、
庵主が胸に抱くと、殊更に火を付けた如くと相成り、
家内が居る病室の外に迄、聞こえる程に御座います。

さて、本日の一献に御座います。

此の夜、件の重貨物車の
牽き手を担って居りましたのは、
多くの演算子に因り、遍く機器が制御さるゝ、
新進気鋭のEH500に御座います。

其の運転室も、さぞ洗練された物であろうと
些か失礼かとも思いつゝ、中を覗いてみますと。

矢張り、如何に先進的な電子機器も、
最後に制御するのは人間で在る事を
改めて認識した一時に御座いました。

夜通しの番、誠に御苦労様に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.09.13











鉄(くろがね)の
闇に踊りし
黒光り







東北本線 岩沼
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

私事で恐縮至極に存じますが、
本日、拙庵に新たな家族が誕生して御座います。

今日を迎うる迄の様々な事柄が
余りにも克明に思い出され、
娘の愛らしさに拍車を掛けた処に御座いますが、

うっかり眼に入れてしまわぬよう、
今後とも精進する所存に御座います。

さて、父は其の前々夜に、
庵近在の夜の帳を漆黒で彩る
重貨物車の魅力に負け、

斯様な夜間徘徊を敢行すると云う、
如何ともし難き不良親父で在る事を
密やかに独白するので御座います。

此の厳つい列車の如く…
と迄は望むべくも御座いませんが、
人知れず人様のお役に立てる様な一面も、
娘に持たせらるゝ事が出来れば、
其れこそ望外の幸甚に存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.09.12











日も変わり
燈(あかり)にぞ乞う
脚休め







東北本線 岩沼
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の駅を出る下り列車は既に、
仙台への一本を残すのみ。

頭上の自由通路にも、最早、人影は無く、
降り頻る雨とも相俟って、
尚一層の静寂感が漂って御座いました。

其の静けさを破らぬよう、
吾が身の体躯に似合わぬ忍び脚で、
特大貨物車の登壇に御座います。

“気付いたら其処に居た”と申しても
過言では無い程に、
緩急車を含め、闇に紛れ込んで御座います。

其の腹部に挟み込んだ特大の変圧器のみが
存在を主張してゐた、本日未明に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.09.11











夕暮れを
大河に溶かして
山遠く







常磐線 逢隈-岩沼
2017.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

暑い盛りは、長雨様に覆い隠して頂き、其れも明けますと、
丁度過ごし易い頃合いと成ってゐたと云う、
庵近在に御座います。

日没もすっかりと早まり、川面を渡る風にも
些かの冷気を感ぜらるゝ様に成って参りました。

今年は、一日の中での気温の上下が
尚一層大きい様で御座いますが、
御来庵の皆様方に於かれましては
如何で御座いましょうか。

庵も雨戸を閉めている間に、
国民保護情報やら緊急地震速報やら、
何かと不穏な空気が漂ってゐた昨今では御座いますが、
庵主も含めまして、兎に角
息災で在りたいものに御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.08.30











河を這う
雲の海







只見線 会津宮下-会津西方
2017.8


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

無人航空機の教習所にて
缶詰に成ってゐる処へ、
増える予定の庵族を迎え入れる準備が重なり、

庵に風を通す時間の確保が
中々難しく成ってゐる此の頃に御座いますが、

御陰様で、当人は
どうにか息災に過ごして御座います。

此方、只見の川沿いは、
長い年月を掛けた隆起・沈降・浸食の繰り返しに拠り、
川面以外に平坦な地形は
殆ど無くなって御座います。

土木的な制約が多い土地柄に於いて、
一献を点てる際に次に縋(すが)るのが
気象現象かと存じます。

御来庵の皆様も身を以て体感された通り、
今年は異常なまでの天候不順にて、
此れ迄の定跡が些かも通じない夏に御座いました。

劇的な場面を得るのに四苦八苦した、庵主と角籠の夏は、
本日にて一区切りとさせて頂きとう存じます。

来月は、如何様な工夫が出来ようか、
愈々思案の為所に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.08.24











中流に
淡く映りし
古橋静か







左沢線 左沢-柴橋
2017.8


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

大変恐縮に存じますが、
出張中につき、本日は駄句の一本のみにて
失礼を申し上げます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.08.22











川霧の
か細き畔に迫りて







只見線 会津宮下-早戸
2017.8


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

発電所が群立する只見川は、
しばしば其の流れを堰き止められ、
幅と深さを増す所が御座います。

其れは谷幅を目一杯占拠し、
水際は即座に断崖と成って御座います。

必要最小限に断崖を
切り拓いて敷かれたか細い鉄路に、
此の日も満々と湛えられた水面から昇る川霧が
迫って御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。