2015.09.16










門前の小僧習わぬ脚自慢





奥羽本線 羽前豊里-真室川
2015.9


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

お香の薫る、静かな門前。
最初の門を潜れば、其処は既に霊験鮮(あらた)かな参道。
其のまま進みますと、立派な山門が現れます。

更に歩を進めますと、何やら見慣れた配色の構造物が。
目の前には赤色灯が二つぶら下がつて御座います。
剰(あまつさ)え足元には、二本の軌条。頭上には電線。

──既に御寺の境内な筈で御座いますが、はて。

蝉の季節も終わりを迎え、境内は余りにも静か。
件の構造物と軌条が、参道を大胆に横切る他は、
ごく有り触れた御寺なので御座います。

時折お越しになる御参拝の方々と挨拶を交わしつゝ、
静かに佇んで居りますと、徐(おもむろ)に警報音が。

其のまま何とは無しに眺めて居りましたら、
件の参道が、黄黒に塗り分けられた竿に
見る見る内に塞がれ──

往年の小僧が、嘗て幾度と無く通つたであろう門前を、
今日も自慢の俊足にて、
北へと駆け抜けて行つたので御座います。

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