2015.08.23










今生の別れも静寂(しじま)泪雨





東北本線 松川
2015.8.23


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

今生の別れとは、
斯様に素気無いものに御座いましょうか。

余りにも一瞬の事に御座いましたので、
目が霞む暇も無く、青い客車の連なるを
家族と共に見送るばかりだつたので御座います。

如何なる親切か、庵主の目が霞む代わりに、
泪雨が足音を掻き消す程に降りしきつて御座いました。

庵に戻り、後から後から湧き出てくる寂しさは如何ともし難く、
昨夏に家族で一宿を求めた青い車体の写真の数々を
囲炉裏端でやゝ暫く眺めておりました。

大変に名残惜しゅう存じますが、
心底愉しき思い出を、
誠に貴重な経験を、
有難う存じました。

車体に拠つては、
新製より四十余年の永きに亘る御功労、
拙い庵主の一献を持ちまして、
衷心より相(あい)労(ねぎら)いとう存じます。

そしてまた何処かで、
お目に掛かる事が叶いまれば、
望外の幸甚に御座います。

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