2015.06.28










隧道に差し掛ゝる燈(ひ)に薫り立つ





石巻線 前谷地-涌谷
2015.5


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

隧道と申しますのは、
殊更に物語が生まれ易い土木構造物であると、
最近、想いを巡らす様になつて居ります。

物言いた気な気籠と、
言を無にして其を受け止むる二本の軌条。
そして、それらを山裾に貫通せしむる、盤石な坑口構造物。

脆弱な機材と軟弱な腕前、
かつ貧弱な語彙を持つ庵主を以つてしても、
斯様に容易く三行の日本語が綴らるゝので御座います。

そして、薫風が織り成す陽炎が気籠の前に立ち上る様には、
其の香りを楽しむ余裕も無く、
甚だ辟易した庵主が土手際の畦に佇むのみに御座いました。


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