2017.04.12










歓声も
去りし銀嶺
見守りて






奥羽本線 大鰐温泉-石川
2017.4


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

来訪者の歓声が過ぎ去ってから、
早一箇月近く経過した、大鰐温泉スキー場。

阿闍羅山の麓に開けた其の滑走場は、
我々一行が小高い丘の頂に立った時には、
未だ鮮やかな白銀の光を放って御座いました。

而して、本日の主役を待つ内に、
太陽は急速に其の光を弱め、
柔らかな西日が差し込んでいた水田や林檎畑、
そして阿闍羅の山体さえもが、
水墨画の如き単色の薄暮へと引きずり込まれ…。

其れから暫くして、
すっかり灰一色の世界と相成りました画角の奥に、
乳白色の仄かな“∴”が燈ります。

其れは、
彼女の踏み跡に一瞬の彩を与えつゝみるみる内に近付き、
山上で色めき立つ我々を、物憂げな表情で一瞥するのみで
足早に弘前へと走り去って往くので御座いました。

其の後、津軽平野の南端は、一瞬にして、
元の灰一色の世界に戻ってしまったので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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