2017.02.28










寒空へ
上げる狼煙も
いざ往かん






烏山線 小塙
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

滝での野点から此方へ向かう道中、
獣道を独歩する御仁と遭遇し、
此の日は是より暫し御相伴を賜りまして候。

旅先での出会いと申しますのは、
斯くも在り難き事に御座いましょうか、
久方振りの感覚に、心躍るものが御座いました。

誠に愉しい一時を頂戴し、草庵からで恐縮に存じますが、
心より御礼を申し上げる次第に御座います。

さて、其の御仁を角籠に迎え、小塙駅へと降り立ち、
暫し周辺を物色してゐた折。

丁度、宇都宮行きの発車時刻と相成りまして、
其方へ向けて徐に鉄瓶を向けますと、
原動機から、勢い良く噴き上がる排気が
冬晴れの空へ高く舞って御座いまして。

些か薄くは御座いますが、
内燃動車の力強い息吹を切り取る事が
叶いまして御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2017.02.27










朝の陽の
翳に吾が身を
溶かす帰路






東北本線 岩沼-槻木
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

矢張り、此度の行程を以て、
カシオペヤ号の渡道は最後の様に御座います。
従いまして、津軽海峡を渡る客車列車も、
同時に此度で最後と云う事に成るかと存じます。

重厚感を湛える嫋やかな車体は、
鋭く射し込んだ朝陽に些か翳の割合を多くし、
其の中に吾が身を溶かしつゝ、
最後の札幌行を終えるので御座いました。

其の寂しさを振り切るが如くか否か、
吾が身の体躯に付けて来た筈の雪は、
何処かに置いて来たので御座いましょう。

此処半世紀では、
十八年と云う、異例の短命に終わった
北海道直通寝台列車の静かな終焉に、

僅かばかりでは御座いますが、
労いと御礼の気持ちを込めまして、
今週も週明けを迎えて御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.25










早春の田に降る雪も陽も斑





石巻線 前谷地-涌谷
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

圃場整備工事中の光景が広がる中学校からの俯瞰を避け、
当線唯一の隧道の傍の高台に参じて御座います。

数日前に降った雪も融け掛かり、特徴的な質感の田圃を眺めつゝ、
時折差し込む早春の陽射しで暖を採り、其の刻を待ちます。

さてそろそろか、と云う刻と相成り、鉄瓶を覗きこんだ折。

折角の原色機だと云うのに、
列車に合わせて些か厚めの雲が接近。
一献を煎じた瞬間と時を同じくして、頭上で見事に雲と列車が交錯。

…兎に角、此の日は祝日と云う事もあり、
尚更に貴重な原色五軸機の一献を点てられただけ、
佳き事とさせて頂きとう存じます。

さて、此の場所をご教示頂きました、某高校に通う学生殿。

愉しい歓談の一時を頂戴し、草庵からで恐縮に存じますが、
心より御礼を申し上げます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.24










里を背に
陽光鋭く
照らす坂






石巻線 涌谷-前谷地
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の場所は、所謂“編成写真”を
仕留める技量の無い庵主に取りまして、

其れらしく一献に纏める事が出来る、
数少ない野点の場所の一つに御座います。

早春独特の、角度の低い朝陽を浴び、
籠を従え坂を下る五軸機。

昭和の工業製品が持つ、独特な堀の深さを強調すべく、
御尊顔の角度を見計らい、其の瞬間を煎じます。

徐々に温(ぬく)みを増す陽光の中で、
原動機のけたたましさに劣らぬ程に
賑やかな轍の踏み音に耳を傾ければ、

其れだけで、日々の胸の閊(つか)えも下りると
云うものと存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.23










岩肌を
落つる水の音
木々に溶け






烏山線 滝-烏山
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

鬱蒼とした木々を擦り抜け、
昭和の気動車が瀧の上へと躍り出て参ります。

些か控え目な荒々しさを携うる岩肌を、
其の流れも淑やかに、江川が流暢な佇まいを魅せる、
龍門の滝。

夏の盛りに訪れる事が出来れば、
其の涼しさも亦、愉しからじ事に御座いましょうが、
今は空っ風も厳しき、下野の冬に御座います故、

背景の常緑樹も、より鬱蒼と生い茂る風に見え、
荒涼とした雰囲気に包まるゝ川の畔に御座いました。

斯様な光景に御座います故、
朱五号の気動車は、僅かに其の体躯を覘かせるだけで、
差し色には十分な存在感を示したので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.22










寒風従えて





東北本線 名取-館腰
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

一昨日の事では御座いますが、
今週の口あけも、北の大地から帰還せし
地上の流れ星との逢瀬より。

今一つな空模様乍ら、間も無く渡道仕業に
終止符を打つとも噂さるゝ夜行列車を
正統な画角で見送る事が出来た事に
独り、“自己満足”して御座いました。

処で、庵界隈を今朝未明に走り抜けたと思しき
“急行 はまなす”で御座いますが、
盛岡迄の消息は追跡してゐたので御座いますが、
その後の足取りは如何様に御座いましょう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.21










野や山の
寒々しきに
朱を添ゆる






烏山線 大金-鴻野山
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

大金とは、何とも庵主に縁の無さそうな
駅の名に御座います。

然れども、其の運気に少しでも肖(あやか)ろうと
角籠を少し走らせた折、

冬枯れ一色の景色に鮮烈に映ゆる朱五号が、
向こうからゆらゆらと近付いて来るでは御座いませんか。

空気撥条と鉄巻撥条と云う、
緩衝装置の違いこそ御座いますが、
此の色とは、此の時以来、
実に五年振りの邂逅を果たして参りました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.20










冬枯れに
体躯を揺すり
下る径(みち)






烏山線 仁井田-鴻野山
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の週末は、関東最後の国鉄気動車の楽園、
烏山線に馳せ参じて御座います。

此方の線区に於いては、
今春にて40系列気動車全廃なるとの報を受け、
万障繰り合わせの上、角籠を走らせた次第に御座います。

此れにて、公私共に慣れ親しんだ40系列気動車群も、
愈々、東北と北海道に僅かに残るのみと
成って参りました。

角籠の息も切れ切れ、六十里程の道程を飛ばし、
漸く線路際に着いた頃には、
大柄な体躯をゆったりと揺らしつゝ、
集落の小駅へと坂を下って来る途中に御座いました。

思わず、手近にあった鉄瓶を取り出し、
久方振りに目にする其の車体に向け、
無我夢中でレリーズを落としたのが、
此度の小遠征の嚆矢だったので御座います。

丸みを帯びた国鉄標準設計には、
冬枯れの光景も善く似合うと感ずるのは、
庵主だけに御座いましょうか。

さて、
此方の踏切で御一緒させて頂きました先達の御仁より、
様々な情報を頂戴し、此の日の後の徘徊に
大いに役立ちまして御座います。
草庵からで恐縮に存じますが、心より御礼を申し上げます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.16










背景を震わせ今朝も歩を前へ





石巻線 涌谷-前谷地
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

荷籠を幾重にも従え、今朝も紙列車は
海沿いの工場を目指して御座います。

今、当(まさ)に不死鳥の如く甦らんとする港町を
陰で支え続けたものの一つに、

此の、光線をも捩じ曲げんばかりに
排気筒から力強く立ち昇る、
ジーゼル機関車の荒々しい吐息が在る事も、
心に留め置きとう存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.15










肖像





石巻線 石巻-曾波神
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

逆光と分かって居乍ら、
何故庵主はこうも、何か来れば
レリーズを押してしまうので御座いましょう。

半ば、固定様式化された自分の行動が、
ほゞ、パブロフの域に在る事に、
些かの物悲しさを覚えるので御座います。

さて、個人的な愚痴は兎も角、
是は是で印象的な一献になったかと存じます。
此れも亦、至極個人的な感想では御座いますが。

丁度、南中に至った太陽を背に、
東北最後の五軸の楽園を参ります。

其の体躯に刻まれた陰翳は、
自らの生き永らえし時間を、ほゞ其の侭
今此の瞬間に凝縮したが如く在り、

此れは所謂“Portrait”の意味する処の一つに
成り得るのではないかと思うので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.14










里を抜け
目映き朝陽に
正対す






石巻線 涌谷-前谷地
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

坂道を颯爽と下り、
平成生まれの気動車が、
軽快な足取りで里を抜けて参ります。

向かう先は、日出づる処の
港町に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.13










家並を
映して地上の
流れ星






東北本線 岩沼-槻木
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の週末、庵を留守にして
大変失礼を申し上げました。

珍しく、音楽漬けな連休に御座いました。
同時に、其処に関わる友人との旧交を
温めて参った処に御座います。

さて、今朝は、幾分寒さも和らぎ、
週明けにしては珍しく、
清々しさが感ぜられて御座います。

家々が立ち並ぶ岩沼の街。
其の明瞭な陰翳を自らの体躯に映しつゝ、
札幌からの夜行列車が、颯爽と首都へ上って参ります。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.10










相見ゆ
鉄路と大地の
両力士






東北本線 槻木-岩沼
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

単純に、其の持てる物理的な力を、
人の為に行使する、と云う事は、
工業製品が持ち得る一つの優しさかと存じます。

大地に手を入れる事、
片や、大量の荷を運ぶ事。

庵主にとって、工業製品の外見は、
機能には従順であり乍ら、
存在意義には必ずしも合致しない…

斯様な気がして
ならないので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.08










安全を
守る手練(てだれ)も
十重二十重






東北本線 北白川
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨日、御来庵賜りました皆様が、
延べ一万人を超えて御座います。

此れも一重に、
現場および多方面よりご支援頂いてゐる皆様、
生温い(!)目で見守って頂いてゐる庵族および親族、
そして何より、日頃より御来庵頂いて居ります皆々様の
お陰様で御座います。

草庵からで恐縮至極に存じますが、
心より、深く御礼を申し上げます。

庵の中でも、愈々、庵主独りの体躯だけでは
無くなって来て御座います。

角籠を東奔西走させる余裕も無くなって参りましたが、
今後も亦、庵近在を中心とした鉄路の日常を、
吾が身と庵族の安全を最優先にしつゝも、
徒然に切り取って参ります。

今後共、何かの折で結構で御座います故、
拙庵を御贔屓賜りますれば、幸甚至極に存じます。
御指導・御鞭撻の程、何卒宜しくお願いを申し上げます。


                        平成廿九年二月八日
                              魚利庵 庵主 拝
2017.02.07










工場へと
向かう線路の
肌寒さ






日本製紙岩沼工場専用線 岩沼工場
2017.2


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

高く、そして厚い雲に覆われた、
先の週末に御座います。

拙庵から二里ほどの処に在る紙工場。
曇天目掛けて、此の日も盛大に
煙を立てて御座いました。

太平洋側の天候が崩れる時は、
概して気温が高い日が多いので御座いますが、

線路際に佇む庵主の目の前に広がる光景は、
盛んに操業してゐる工場の構内にも拘らず、
些か寒々としたものに御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.06










轟音の
響く朝(あした)に
身も締まり






東北本線 名取-館腰
2017.2.6


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

週明けの朝一番、上野へ向けて
夜行列車の帰還に御座います。

冷却機と主電動機を勢い良く廻し立て、
EF81電気機関車が轟音を振り撒きつゝ、
寝惚け眼の庵主の脇を過ぎ去って参ります。

今日から又、一週間の始まりに御座いますが、
俊足且つ質実剛健極まる其の躯体に、
活力を頂いた気がして御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.02










山望み
柔き日を浴む
其の麓






東北本線 北白川-大河原
2017.1


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

先日、斑鳩の近隣より戻りし彼の車、
別な鉄瓶にて点てた一献に御相伴賜りとう存じます。

胸の空くような冬晴れとは行かずとも、
柔かき陽光が降り注ぐ里を、
齢(よわい)を感じさせぬ足取りで
駆け抜けて参ります。

軈て来る、春を思わせる陽気に御座いますが、
此の列車は、此の季節を待たずに辞世するので
御座いましょうか。

而して、此の姿を以て、
庵主と583系交直流特急型電車との邂逅は、
追憶の中のみに在る事と相成りまして御座います。

余りにも呆気無く、余りにも静かな終幕に、
現場に於いては些かの狼狽の余地すら無く、
今頃に成って、幾つかの想いに、
静かに浸ってゐる処に御座います。

願わくば、今再び、
其の雄姿に相見えん事を──

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.02.01










混凝土
茜に染まりて
冬の暮れ






東北本線 太子堂-南仙台
2017.1


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨日は、朝にも拘わらず、
夕暮れの如き風景に御相伴を賜りましたが、
本日は、紛れも無き夕暮れ時の一献を
御高覧頂きとう存じます。

庵界隈も、此処数日で、陽が長く成った事を
感じ取れる様に相成りました故、
季節の移ろいが着実である事に
些かの安堵を得てゐる処に御座います。

通り往く風が温かみを持つ様に成る迄には、
もう少々の時間が必要な様で御座いますが、
それでも、暮れ六ツの陽光には、
僅か乍ら、柔らかさが出て来たように存じます。

日毎の気温の変動も大きい時期に御座います。
更に、インフルヱンザや感染性胃腸炎が
猛威を振るってゐる様に御座います故、
皆様方に於かれましては、重々ご自愛頂きますよう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。