2016.11.30










春一番
吹くな吹くなと
忍び足






都電27系統(荒川線) 小台-荒川遊園前
2007.3


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の区間は、此方の一献を立てるより更に以前は、
雑多な住宅街の中に突如専用軌道が敷いてある
と云う印象に御座いましたが、
今日では、又更に風貌を変えてゐるものと存じます。

併用軌道にも様々な物があるかと存じますが、
新世代の其れは、大変にハイカラな印象が御座います。

具体的には、「センターリザベーション」なる技法が
主流かと存じますが、此方も御多聞に漏れず
斯様な仕上げに為るものと思われます。

此の技法は、どちらかと云えば、
車よりも、人と共存する事に重きを置いたものであろうと、
僭越乍ら考えるので御座います。

此方の建物は、こうした都電の意向に応えた結果、
斯様な形に為ったと推測するので御座いますが、

それにしても、強い風が吹いたら
どうなってしまうので御座いましょう。

片田舎の隅に在る草庵から、
下世話な心配をする庵主に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2016.11.29










制御桿
小部屋にひとつ
主待つ






小野田線 雀田
1998.3


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

茶葉が底を尽きましたので、
今を去ること十八年前の熟葉に
御相伴賜りとう存じます。

活色光幕を電子化した一献にて、
些かの褪色及び乱像は御容赦賜りとう存じます。

此の時乗った車は、確かクモハ42と云う、
由緒正しき旧型国電だったかと存じます。

そして此処から僅か五年後、
此の車が長年の仕業に幕を下ろし、廃車に為ったと
風の便りで聞きまして御座います。

日本家屋は能く、
樹と紙で出来てゐると云われて御座います。

流石に紙が用いられてゐる個所は
極僅かとは存じますが、

日本古来の鉄道車両も亦、
樹がふんだんに用いられてゐる事を、
弐十世紀末に在って、身を以て証左してゐる
稀有な存在であったと存じて居ります。

本日最後に、
「昭和の男」然とした其の風貌を追加致しましたので、
御高覧頂けますと幸いに存じます。


(小野田線 長門本山にて)

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.28










足早に
里に降り立つ
朱ひとつ






東北本線 槻木-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨日の、全日本実業団女子駅伝では、
日本郵政が初優勝を飾ったそうに御座います。

豊田自動織機の痛恨の経路逸走があったとは云え、
此れも亦実力と見る事が出来てしまうが故の
勝負の世界の残酷さと劇的な側面を垣間見て御座いました。

さて、標高と云う側面から見た紅葉前線も
今年は驚異的な速さで海抜零米域まで
駆け下りた印象に御座います。

愛島丘陵の南端に位置する里、岩沼市南長谷の線路際。
其処にぽつんと一本、落葉樹が立って御座います。

此の719系電車8連による列車も、
此の一本の木の葉が落つるのと刻をほゞ同じくして、
見納めに為る事と存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.26










大足で
寒さ蹴散らす
線路端






東北本線 名取-館腰
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

平成産まれの機械は、矢張りどうしても、
昭和産まれの其れに有るものを見て取るのが
難しいように感じます。

殊に足周りに関しては、此処数年、
庵主の一献の腕が稚拙な事を差し引きましても、
此の迫力に勝る車に出会えた事が御座いません。

費用対効果と物理的効率を希求した事で、
より洗練されてゐると云い換える事も出来ましょう。

斯様な観点を持ち出した時点で比ぶる冪くも御座いませんが、
昭和の機械が持つ設計思想と、技術者の実力の高さには、

“逆立ちしても追い付けない部分”が歴然として存在すると
感じるので御座います。

そして、平成に入って四半世紀を経た今日、初冬の夕暮れ。
洗練され、磨きの掛かった大足で寒さを蹴散らしつゝ、
現代の金太郎は首都圏を目指し猛進するので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.25










銀(しろがね)の
横切る里の
朱も深く






東北本線 岩沼-槻木
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨日の朝、首都圏は大雪だったそうで御座います。
怪我をされた方も多く、亡くなった方も居らるゝと聞きます。
被害に遭われた方々に、お見舞いを申し上げます。

結局、昨日の庵近在は、一粒の雪も見る事無く終えて御座いました。
其の一方で、今朝の冷え込みは今季一番(零下四度超)を示し、
霜と氷の園と相成り、角籠も暖機を入れる朝で御座いました。

さて、程良く色付いた木々に、鳥居の朱色が
極く自然体で交わる、長谷の里に御座います。

広葉樹のざわめきが、やゝ遠くに聴こゆる程、
冷たくも緩やかな晩秋の風が吹き抜けた後、
濃淡の銀色の帯が、陽光を照り返しつゝ、
里を横切って参ります。

其の一閃は、往時と変わらぬ俊足にて、
通り過ぎた後の風さえも銀に染める程に
強烈なものであったと記憶して御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.24










思い思いの家路にも
夜の帳は斉(ひと)しく降りて






東北本線 館腰-名取
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此処数日、庵を留守にして申し訳御座いません。

親類での寄合、地震・津波の対応など、
些か多忙な四日間に御座いました。

殊、一昨日の緊急地震速報に続く津波警報では、
警報発令中の現場待機を余儀無くされて御座いました。

避難指示区域外とは云え、隣接する場所で御座いました故、
やゝ緊張を強いられた時間を過ごして参りました。

携帯電話器の警報音が鳴り響いた折、
あれから六年近くを経てゐるにも関わらず、
背筋に感じるものが御座いますのは庵主のみ為らぬ事と存じます。

皆様方に於かれましては、ご無事で御座いましたでしょうか。
息災で御座いましたら、望外の幸甚に存じます。

幸い、然程時間を要さずに平時の営みに戻って御座いましたが、
斯様な迄に繊細な均衡を保った上に、平時の営みが成り立ってゐる事に
改めて奇蹟を感じずには居られない、昨日の夕暮れに御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.19










大気も宇宙の色に染まる夕暮れ





東北本線 岩沼-槻木
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

夕暮れとは、
傾ぐ陽に全てが赤く染まるものだと云う事が
単なる先入観である事に気付かされた、
小高い丘の上に御座います。

一方で、立ち並ぶ工場群は、
仮令何色に染まろうが、聳え立つ煙突から
濛々と煙を吐き続けて御座います。

世界の博識な皆様方は、其の多くが口を揃えて、
此の共存関係を維持してゐく事が難しい旨を
訴えてゐると聞きます。

同時に人類は、宇宙との心理的距離を
急速に縮めようとして御座います。

其の結果が、吉と出るか凶と出るか、
見届けぬ内に一生を終える事に、
微かな希望を持ってゐるのかも知れません。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.18










葉も汽車も色付き時の迅さ知る





東北新幹線 仙台-白石蔵王
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

葉の彩りが、漸く麓まで下りて参りました。
と思いきや、今朝は仙台で初氷を観測したそうに御座います。

新語流行語大賞の候補に
“鉛筆と果物の唄”も挙げられてゐるそうで、
季節の移ろいの早さを感じてゐる所に御座います。

今年は特段に足早な“秋”、どうにか庵近在で捉えたく、
例に拠り、庵事の合間を縫って、
某・国立学校の脇まで参じて御座います。

小さな公園をやゝ暫く徘徊して居りますと、
全ての葉が見事にほゞ同じ色合いになってゐる
一本の木が。

生憎、樹名は判らずに居りますが、
田園が広がってゐるとは云え、
広葉樹が些か乏しい都市近郊に在って、
小さな秋を見つけて御座いました。

そして今になって、
本格的な紅葉の一献が大変に少ない事に気が付き、
庵で独り狼狽する庵主だったので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.16










三つの小月
淡く駅を照らす






東北本線 南仙台-太子堂
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨夜漸く、庵人と共に「“準”スーパームーン」を
愛でる事が出来て御座います。

一方で本日の一献は、
三位に並んだ小さな朧月が淡く駅を照らす様子を
ご高覧頂いております。

至って単純な構造の駅では御座いますが、
さゝやかな分岐を含む軌条が
“月明かり”に浮かび上がって御座います。

自らが是から進む道を、
朧とは云え力強く照らし出す機関車に、
明日への一歩を踏み出す切っ掛けを得たような、
庵近在の一夜に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.15










霧立ちて
名も知らぬ花
添うる朝






東北本線 槻木-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

「ただ撮っただけ」の一献にて恐縮至極に存じますが、
来る師走初旬にて姿を消す、719系電車8連の一献に、
ご相伴賜りとう存じます。

阿武隈川沿いの此の区間は、川霧がしばしば堤防を越え、
流域の平野部をも満たすので御座います。

此の川霧で御座いますが、
時には一寸先すら見えぬ程の濃さに為るので御座います。

云わずと知れた大幹線を、
毎朝、白石から利府まで駆け抜ける此の編成も、
今秋にて終焉を迎えます。

嘗ての455系電車9連による長大編成の迫力には敵いませんが、
幾ら経済人口二百万の都市圏と云えど、
短編成化は時代の流れに御座いましょうか。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.14










首都に向け
疾駆せし籠
月を超え






東北本線 太子堂-南仙台
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

今宵は、一年の内、月と地球の距離が一番近付き、
其の見掛けの大きさが最大と為る
「スーパームーン」が見らるゝのだそうで御座います。

名取川の土手に佇み、
行き交う列車越しに月を眺めたのは
昨夜の事に御座いましたが、

暫く眺めて居りますと、昔日を生きた先達方が
様々な想いを巡らせたのも頷ける事と存じます。

今宵の空模様は望み薄との報には御座いますが、
仮令(たとえ)見えずとも、何かこう、願懸けをしに、
庵人と伴に、庵の外に出て見る事と致しましょうか。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.13










遠き陽と
都へと発つ
吾 重ね






東北新幹線 仙台-白石蔵王
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

海の向こうでは、新しい国家元首が誕生し、
まるで無法者の大魔王の現るが如き騒ぎに
なってゐる様で御座います。

さて庵主はと云えば、
斯様な大物とは比ぶる迄も無い事は自明に御座いますが、
師走の声迄は未だ日を残してゐるにも関わらず、
庵事も含め、愈々其れ成りに忙しくなって参りました。

其れに伴いまして、
庵の半径三里以内の一献も増えて御座いますが、
今暫くご相伴賜りとう存じます。

一献の腕は元々稚拙である事を承知の上で
斯様な独白は如何なものかとは存じますが、
長尺鏡筒の扱いも、未だ不慣れに御座います。

主・副被写体の配置、光線状態、彩色の調和等、
圧縮された中に如何にして組み上げ、表現に結び付けるか、

多くの要素を最適に組み合わせて解と為す際の
瞬時の判断が求められる状況に大変に弱いので御座います。

最近は特に、主被写体に救いを求むる事も適わぬ状況にて、
改めて「真」を「写す」事にじっくり向き合う、
云い換えれば、日常を直視する事の大切さを嚙締める、
晩秋の丘の上に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.10










頂の
先の先まで
樹々湛え






磐越西線 磐梯町-東長原
2016.6


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

人間と云うのは現金なものに御座いまして、
あれ程厭だった蒸し暑い時期が恋しくなって御座います故、
些か熟成した一献にて恐縮に存じますが、
点てさせて頂きとう存じます。

其の山体の雄々しさも然る事乍ら、
麓から頂まで程良い濃さの緑に全身覆われてゐる様は、

これから夏へ向けて、生命を謳歌する喜びを
其の全身を以て表現してゐるかの様で御座います。

梅雨の晴れ間、水無月にしては些か蒸し暑く、
盆地の縁に滞留した熱気を吹き飛ばすが如く、
牛歩とは程遠い韋駄天振りで
一陣の涼風を届けてくれたので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.09










浮雲






東北本線 槻木-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

陽光で縁取られ、
雲の陰影が殊更に明瞭になって御座います。

高く抜ける青空を、ぽこぽこと幾つも流れ行く様に、
逆に季節の移ろいが止まった様な感を覚え──

否、此の空模様がいつまでも続く事を
心の奥底では望んでゐたのかも知れません。

性に合わず、Sentimentalな心持で、
やゝ暫く空を眺めてゐた、晩秋の線路端に御座います。

庵近在でも、山沿い方面は、
本日遂に積雪が有ったように御座います。
冬の訪れ、其れ自体も不安定な今年、
庵主も含め、準備等入念になさいますよう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.08










暮れ深し
過ぎ往く燈りに
暖求む






東北本線 槻木-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

日中も肌寒さが板に付いて参りました。
お変わり御座いませんでしょうか。

遮る物も無い水田の真ん中に佇んで居りますと、
列車の室内燈にすら暖を求めたく為るので御座いますが、

幼少の頃に触れた車内の温もりに出会う事は
すっかり減ったように感じて御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.06










暮れに海原を溶かし
寒風愈々身を拭う






常磐線 逢隈-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

明日以降の週間天気予報に、
遂に雪の報が登壇して御座います。

御来庵の皆様方に於かれましては、
御風邪など召されては御座いませんでしょうか。

昨日より、常磐線の浜吉田から相馬迄の区間で、
試運転が始まった様に御座います。

普段は見る事の無い、僅か二両編成の列車が、
益々短く見える長い鉄橋をゆっくりと渡り往く夕暮れに御座います。
おそらく、是が当該区間の試運転列車に御座いましょう。

何れにせよ、漸く、仙台より小高迄が、
一本の鉄路で結ばれようとして御座います。

此の地域にお住まいの皆様方に於かれましては、
心待ちに待った運転再開に御座いましょう。

試運転とは云え、列車の往来が再開された事、
遠く日落つる処の丘の上より、
小(さゝ)やか乍らお祝い申し上げた次第に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.05










木枯らしに
耐えし枝豆
何を見ゆ






東北本線 岩沼-槻木
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

休耕地で御座いましょうか、それとも──。

庵近在では、「木枯らし」と云う言葉は
使われないので御座いますが、
此の日は思いの外強い風が
冷気を運んで来た様に御座いまして、

幾許か纏まって立ってゐた枝豆が、
押並べて似た様な色を纏って御座いました。

色付いた広葉樹を愛でる前に、
何故か斯様な物に食指が伸びてしまう、
或る晩秋の休日に御座いました。

晩秋と申しますれば、
“秋”が無かったとの声が多く聞かるゝ
今年の神無月に御座います。

今夜も、暖かくしてお休みになられますよう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.04










陽溜まりへ
芒も靡く
初冬哉






東北本線 岩沼-槻木
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

稲刈り、藁干しともにすっかり終わった、庵近在の水田地帯。

些か強めの風に、折角、沢山の陽光で採り入れた暖も
あっという間に吹き消さて御座います。

かと云って、足元から深深と寒さが登り来る、
と云う処迄は、もう少々時間が御座いましょう。

稲に取って代わった芒の穂が、過ぎ行く秋を惜しむが如く、
風に吹かれて靡(なび)いて御座いますが、

吹かれて向いた穂先は、何処を指してゐるので御座いましょう。

「佐渡へ佐渡へと草木もなびく~」の民謡の如く、
宮城野は住み佳い処ではなかろうか、と、
手前味噌乍ら思う、田んぼの縁に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.01










碧空も
深く交じりて
山河在り






水郡線 西金-下小川
2016.10


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

阿武隈高地の懐深く、
曇りなき碧空を映す久慈の流れの畔は、人跡疎らな崖の上に佇み、
本日の野点行脚を終えようとしてゐる処に御座います。

山影は未だ谷間に及ばずとも、時季も時季に御座います故、
程無く冷気を伴って川面を包む事で御座いましょう。

其の山影から逃るゝが如く、
庵への帰路を頭の中で模索するのでは御座いますが、

半刻も此処で過ごす内に、
後ろ髪を引かるゝ思いが駆け上がって参ります故、
撮影行とは不思議なものに御座います。

最後に、此の日、此の線区をご推奨頂きました、某人気殿、
西金駅に引き続きご相伴を賜りました愛知の御二方と
宇都宮の御先達殿に、心より御礼を申し上げます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。