2016.09.30










黄昏に
其の身を溶かし
風一陣






東北本線 岩沼-館腰
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

昨日の夕餉時、晴れ間が見えてくると同時に、
急激に冷え込んだ庵近在に御座います。

秋雨前線の位置如何で、
風向・天候・気温の全てが大きく変わるのも、
東北太平洋側の特徴かと存じます。

所用を済ませた帰り道、何処か直ぐに帰りたくなくて、
旧奥州街道の踏切に立ち寄りました折。

突如として、聞き慣れた空冷機の音と、
電動機の咆哮が背後から近寄って参ります。

気付いた時には既に、
赤べこの綽名の所以となった其の身の色を、
すっかり傾ぐのが早まった夕日に溶かしつゝ、
遠ざかって往くので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2016.09.29










入道も
白く光りて
ホキも焼け






岩手開発鉄道 日頃市-長安寺
2016.8


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

秋の長雨とは申しますが、
此処まで長いと些か食傷気味に御座います。
既に大雨の被害が生じてゐる地域も在るかと存じます。
呉々も、御自愛頂きますよう。

青空が恋しくなって参りましたので、
葉月の一献に御相伴賜りとう存じます。

真っ青な空を背景に、入道雲の白い輝きが、
日差しの強さを物語ってゐるかと存じます。

対照的に、真では潰れてしまう位に黒光りした砰籠(=ホキ)が、
其の焼け具合と申しますか、平たく申しますれば
触れると火傷を負いそうな程に見ゆるので御座います。

此の踏切の脇に佇んでゐたときは、只々熱いだけ、
と云う様な正午前で在った事を思い出して御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.28










路地裏に
進む歩みも
潤うて






日本製紙岩沼工場専用線 日本製紙岩沼工場-岩沼授受所
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

秋雨前線の他、数本の前線が
列島の上を右往左往している昨今に御座います。

彼岸もとうに過ぎ、長月も末と云うのに、
蒸し暑さも続いて御座いますが、如何お過ごしで御座いましょうか。

そぼ降る雨の中、前照燈を煌々と燈らせ、
籠の列が裏路地を静々と進んで参ります。

鉄道車両は単なる機械、謂わば無機質の塊で御座いますが、
多くの人の目と手が掛かってゐる事で、
何処か生物よりも生物の如き佇まいかと存じます。

しっとりとした路地裏の如き雰囲気が、
尚更にそう感じさせるので御座いましょうか。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.26










秋雨に
返す返すも
転轍機






日本製紙岩沼工場専用線 岩沼授受所
2016.9


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

如何に怪力を誇る機関車とて、
往く手を決めるには、人の手を拝借する事は必定かと存じます。

庵主とて、太々しくも、様々な皆様方の手を拝借申し上げ、
今日まで様々な生き方を謳歌する事が出来て御座います。

誠に、幸福な事に御座います。

先達の御仁、中には既に雲上人も居らるゝ訳で御座いますが、
庵主がどれだけ不義理を働こうとも、

つい昨日も顔を合わさせて頂いたが如く、仲間で居てくれる──
其の事の有り難みを感じた、秋雨の転轍機に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.25










機械と通わすは心也、
操るは人也






日本製紙岩沼工場専用線 岩沼授受所
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此の処、ほゞ週に一度、水泳場へと通い、
鍛練と云うよりは、
衰えないよう悪足掻きをしてゐる、
庵主に御座います。

引き続きで恐縮に存じますが、
本日も、日本製紙専用線岩沼授受所での一献に
御相伴を賜りとう存じます。

時に、郷に入りては郷に従え、と申します。
先程まで、目を見張る韋駄天ぶりを見せ付けた
金太郎に御座いますが、

此処では、多くの職員の皆様の手を借りつゝ、
そろりそろりと、手探りをするが如く、
慎重に歩を進めるので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.24










耳となり
目となり牽き手を
導ける






日本製紙岩沼工場専用線 岩沼授受所
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

人馬一体と為りて、機関車が機回し線を
慎重に進んで参ります。

精悍な顔つきと比類無き健脚を持ち合わせつゝも、
往く手を導くのは詰まる処、人で在ろうかと存じます。

此方の誘導掛の方を始めとする職員の皆様方は、
其の目と耳、そして手に全神経を集中し、

百数十屯の機関車と、五百屯近い籠車の安全運行に
日々全力を挙げて居らるゝ事と
一方的に拝察申し上げる次第に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.23










牽き連れし
籠を案じて
引き渡し






日本製紙岩沼工場専用線 岩沼授受所
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

庵の近在に、斯様に見所の有る鉄路が在ったとは。
目から鱗…と迄は行かぬものの、
心惹かるゝ路線に参じて御座います。

生憎の雨に御座いましたが、
其れは其れで、雨粒を纏いて働く職員の皆様の御姿から、

日本の産業を現場で支えて居らるゝ方々の心意気と申しましょうか、
一献に写らぬものを感じ取る事が出来まして御座いました。

仙台より、東北本線を爆走してきた籠の車列は、
此の授受所より、一気に速度を落とし、
歩く程の早さで巨大製紙工場へと向かうので御座います。

此処まで連れ添いし金太郎が、
残り僅かな籠の旅路を案じてゐるが如く御座いました。

半里にも満たぬ路線乍ら、
家事の合間にも一献を点てる事も出来ましょうし、
空模様に依り、様々な表情が垣間見れる事に御座いましょう。

今暫く、拙庵の一番茶、
或いは準ずる茶葉に致しとう存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.23










袖振り合うも多少の縁





仙台空港線 美田園-杜せきのした
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

洋服店の看板の脇を掠め、
空からのお客様を引き継いだ列車が
仙台を目指して参ります。

一度顔を合わせれば皆兄弟、と云う
沖縄の如くには行かぬかと存じますが、
日々を平和に過ごせる世で在って欲しいと
僅か乍ら願ってゐるので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.21










緑燈の
示す往く手の
涙雨






東北本線 岩沼
2016.5


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

私事にて恐縮に存じますが、
庵や庵族を第一に、野点に出る機会を減らして御座いました。

其処で本日は、去る葉月に辞世した、
国鉄型特急の一献に御相伴を賜りとう存じます。

斯様な一献も、庵主次の世代を迎うる前に
“懐かしい光景”と称されるかと存じますが、
其の時の事を想いますと、些か遠い目に為ってしまうのも
正直な処に御座います。

至極、主観の塊にて些か恐縮に存じますが、
其の塊を、此の春雨に散らす事に致しとう存じます。

暑い日も散在した今年の黄金週間の中で、
肌寒さを覚えた日でも御座いました。

公器たる“鉄道”を、巨大な民間企業が運営する。
その先に待つ様々な事象を、
今後も一献を通して見詰めて行けたらと存じます。

本日も、御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。


2016.09.20










秋雨の間に間に異国情緒見ゆ





東北本線 館腰
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

秋雨の中休みと申しましょうか、
ぽっかりと雨の降らない時間帯の在った、或る日曜日。

庵近在の駅付近には、
外国から来られた方々が多く働いて居らるゝ工場が
点在して御座います。

観察してゐると、ほゞ曜日に関係無く、
大凡決まった時間に此の駅に出入りされて居り、
此の駅が、些か乍ら、異国情緒に染まる時間帯かと存じます。

比較的決まった曜日に休日を頂きつゝ
閑話休題を量産する事の多い庵主に取りますれば、
此方の外国から来られた方々の勤勉さに、
僭越乍ら、学ぶ冪が在るものと存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.19
















東北本線 太子堂-南仙台
2016.9


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

遥か遠くから、前照燈が近付いて参ります。
あっと言う間に、目の前まで迫り、閃光が突き刺さった次の瞬間、

当に一瞬の出来事に御座いますが、
機関車の轟音と伴に、後ろに飛び去って行ったので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.18










整然と
従えし籠
夕七つ






東北本線 名取-館腰
2016.9


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

銀色週間、と申しますか、今年は曜日配列が今一つにて、
銀には程遠く、錫色週間と相成りまして御座います。
御来庵の皆様方に於かれましては、如何お過ごしに御座いましょうか。

庵主も、家人と伴に、庵で静かに過ごす錫色週間に御座います。
其処で本日の一献は、庵近在の駅に散歩に出掛けた際の一献に
御相伴頂きとう存じます。

何を狙うでも、何を考えるでも無く、プラットフォームの端に三脚を据え、
徒然にレリヰズを切り落としつゝ、静かに過ごして御座いました。

唯々、籠の列を従えて疾駆する電気機関車の姿が恰好良く感ぜられ、
其れを一献に写し込まんとするばかりだったので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。


2016.09.16










力持ち、闇夜に躍り出る





東北本線 館腰-名取
2016.3


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

庵の表示が治った様に御座います。
どうやら、物件管理事業者側の不具合だった様に御座いますね。
御来庵の皆様方には、ご不便をお掛けした事をお詫び申し上げます。

扨て、拙庵が大街道至近な事もあり、
夜遅くまで様々な照明が燈ってゐる訳で御座いますが、

殊、ナトリュウム燈のヲレンジ色は、
波長も長く、振幅も其れ成りに有する事から、
照らし得る凡てを同色に染める程の力を持った
光線で在る様に感ぜられます。

其の中でも此方、「“金太郎”の前掛け」で在る処の赤は、
存在感を失う事無く主張してゐるかの様で御座います。

油缶を従え、あっという間に躍り出て、
あっという間に闇夜に消え去る、
早春の一夜に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.15










雪飛礫
陸奥の入り江に
舞い融けて






津軽線 蟹田-瀬辺地
2016.3


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

昨日より、拙庵の電算機表示に
不具合が生じてゐる様に御座います。
移動電話機の表示にも、同様の問題が生じてゐるものと存じます。

御来庵の皆様方に於かれましては大変ご不便をお掛けし、
誠に申し訳御座いません。

此の後、正しく表示さるゝか否か不明に御座いますが、
先ずは本日の一献を点てさせて頂きとう存じます。

一旦涼しくなった此の頃の庵近在に御座いますが、
昨日あたりから、暑さがぶり返して来たように御座います。
其処で、本日の一献に御座います。

弥生の末にも関わらず、
吐息で吹き飛びそうな程に軽い雪飛礫(つぶて)が舞う
陸奥湾に御座います。

気体の分子運動が如く縦横無尽に舞う其の様は、
まるで巨大な摺り硝子の箱の中に居る錯覚に
我々を陥らせるので御座います。

巨大な摺り硝子の箱とは、
紛れも無く陸奥湾の事に御座いますが、
其の凪いだ水面も亦、気体分子を優しく受け止め、
互いに何の摩擦も無く、融かし行くので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.14










神の峰
碧く朝陽に
照り返る






東北本線 金谷川-松川
2016.6


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本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

浅い角度乍らも、突き刺さるが如き光線の力強さ、
是が夏の夜明けと申すものかと存じます。

盆地の縁に当たる福島市松川町は、
夏とは云え、夜明け前は些か冷え込むので御座いますが、
太陽が顔を覘かせた瞬間から、気温が鰻登りに為るので御座います。

斯様な迄の力を持つ夏の朝陽に、
高速貨物列車が、吾妻山を背にしつゝ真っ向勝負を挑んで御座います。

隅田川迄、残す処七十余里。
じりじりと炙らるゝ事も厭わず、
今日も陸奥の大幹線を驀進するので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.13










秋雨の
はしり 摺り抜け
籠の列






東北本線 太子堂-南仙台
2016.9


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

杜の都の一大音楽祭を終え、
一頻り抜け殻になってゐた庵主に御座います。

初夜の庵主の楽団の演奏会に
御来店賜りました皆様方、誠に有難う存じました。
図らずも不義理を働いてしまいました皆様方、
大変申し訳御座いませんでした。

宮城在住の音楽人の端くれとして、矢張り此の二日間は、
出演するしないに関わらず、特別なものに御座います。

さて、其の音楽祭から遡る事一週間前、
東京へ向かう、夥しい籠の列。

空一面を雲が覆いつゝも、
透過して降り注ぐ紫外線の多さに夏の名残が御座います。

大して暑くも無いのに、噴き出る汗を拭いつゝの線路端、
涼しい顔をして其の脇を通過して行く数多の列車。

連なる籠は、何を思い、
其の中に収めた数々の荷物は、何処まで行くので御座いましょう。

噴き出る汗の理由は、
斯様に写らぬものを写し留めんと四苦八苦する
庵主の稚拙な腕と短絡的思考に在るものと存じて居ります。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.10










薫風に
山河縁取る
途を往く






阿武隈急行 丸森-あぶくま
2016.5


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

些か時間が経った一献にて恐縮に存じます。

皐月を通り越したが如き熱気を帯びた風が、
渓谷を時折通り抜ける夕刻。

其の風に混じり、轍を刻む音が
徐々に近付いて参ります。

一瞬、其の音が尾根の陰に隠れ、
川面を渡る風と共に、完全に姿を消したと思われた直後。

向かい風に正対し、
隧道からあらぬ速さで山河の縁に躍り出た列車に、
些か辟易してゐたので御座います。

今日明日と、定禅寺ストリートジャズフェスティバルが
仙台市内各所にて開催されて御座います。

庵主の楽団は、今宵、
仙台市内のジャズクラブにて実況演奏会(ライブ)を
させて頂く事となっております。
詳細は庵主の顔本、又は此方にて
ご確認頂きとう存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.09








清流の
蝉の羽音と
似たる哉






岩手開発鉄道 長安寺-日頃市
2016.8


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

エルニーニョの収束を見たと思いきや、
間髪入れずにラニーニャの可能性が在ると云う、
不穏な傾向が世界規模で垣間見える昨今に御座います。

一方で、日本周辺の天気図には、豪雨の爪痕が未だ残る中、
愈々秋雨前線が登場して御座います。

被災されて居らるゝ皆様方に、改めましてお見舞いを申し上げます。

せめて本日の一献は、
清流と青空の風景にて点てさせて頂きとう存じます。

此の、岩手開発鉄道と云う小さな貨物線は、其の三里余りの距離に、
昭和日本の鉄道風景の原点が詰まってゐると申し上げても
過言には当らぬかと存じます。

一時の息抜きの一助に成りますれば、望外の幸甚に存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.08










黒鉄を
溶かし緑も
深まりて






岩手開発鉄道 長安寺-日頃市
2016.8


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

黒き鋼鉄で出来た砰籠が長い列を為し、
径(こみち)を山へ向けて登って参ります。

其の身の周りは、緑が在るばかりに御座いますが、
汽車が通った後は、其の緑が殊更に濃くなった様な
気がして御座いました。

当に黒鉄も溶けるが如き、
炎天下の線路際に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.05





東北本線 名取-館腰
2016.9.4



庵主で御座います。
折に触れての御来庵、誠に有難う存じます。

例年に無く不穏な天候の続く中、
皆様如何お過ごしで御座いましょうか。

被害に遭われました皆様方へ、改めまして
衷心よりお見舞いを申し上げる次第に御座います。

間も無く、二十四節気の一つ、白露に御座います。
今年は、九月七日だそうで御座います。

そこで、久方振りの庵の歳時記に於いては、
時節らしく、穂を太らせ始めた薄を飾らせて頂きとう存じます。

御多聞に漏れず、庵人共々、
日々の暮らしに追われて居りまして、
野点の旅に出る機会は減る一方に御座いますが、

忙殺されつゝも、一家揃って平穏無事に毎日を迎えらるゝ、
其の事こそ、何事にも替え難い事であろうかと存じます。

昨秋のあの日の如く、穏やかな気候に恵まるゝ事を、
そして、被災された皆様方に、
一日も早く平穏な日々がもたらさるゝ事を、
切に願うので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
今後とも、何かの折で結構で御座います故、
皆様方の御来庵を、お待ち申し上げて居ります。

2016.09.04










正面に
黄道見遣る
皇室機






東北本線 太子堂-南仙台
2016.9.4


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

EF81電気機関車も、庵近在では、
本日を持ちまして、今暫くの見納めかと存じます。

と云う訳で、角籠で数分の馴染みの場所に、
家事の合間を縫って参じ候。

湿度が高く、雲も多めの天候乍ら、
機関車の登壇と同時に日差しが戻って参りまして、

所謂“トツプライト”と申すので御座いましょうか、
思わず、機関車を事の他強調した一献を立てずには
居られなくなったので御座います。

そして──
此の機番がまさか、皇室御用達の機関車だったとは。
たった今知った次第に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.03










緑風に
今日も今日とて
轍刻み






岩手開発鉄道 赤崎-盛
2016.8


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

りょくふうに きょうもきょうとて てつきざみ

三里余りの鉄路を往復する日々──と申しますと、
変わり映えのせぬ毎日であるが如く聴こゆるかと存じますが、

豈(あに)図(はか)らんや、
沿線の表情は、日々驚く程違うものだと、
御教示を賜って御座います。

赤崎駅を出て僅か一町程の此の場所とて、
今日は斯様に心地よい風を受け乍ら、
運転士殿が機関車を駆ってゐるでは御座いませんか。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.02










今一度
月下の燈火
旅支度






東北本線 陸前山王
2016.8


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

前夜に北海道を発ち、此の時間の頃には、
既に東京の尾久にゐる筈の寝台特急。

勢力が思いの外強いまゝ列島を縦断した台風の煽りを受け、
地方の小駅で、二夜目の旅支度と相成りまして御座います。

行程が伸びた事への贖罪に御座いましょうか、

朧な割には些か輝きを増した月光が、
機関車の燈火の手助けをせんとするが如く
頭上で蒼白き光を放って御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.09.01










碧空と川を跨いで明日紡ぐ





岩手開発鉄道 盛-赤崎
2016.8


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

へきくうと かわをまたいで あすつむぐ

今回の台風十号では、残念乍ら、
岩手県沿岸部にも甚大な被害が及んでしまった様に御座います。

亡くなられた方々に、衷心より哀悼の心を捧ぐと共に、
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

今回の台風は、此処、
大船渡を上陸地に選んだ様に御座いますが、
幸い、大船渡に限りましては、目立った被害は見受けられずに居ります。

併し震災から二千日が経過し、漸くと云う処で今回の豪雨災害。

台風一過の酷暑も如何許りかと
拝察申し上げる次第に御座いますが、

せめて穏やかな盛川と、
晴れ渡る夏空の一献を此処に点てさせて頂き、
一服の涼として頂けましたら望外の幸甚に存じます。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。