2015.12.28










雪雲に水の流れも色失せて





米坂線 手ノ子-羽前沼沢
2015.12


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

些かの一念発起にて、すっかり重くなった腰を上げ、
越後街道沿いへと角籠を駆って参りました。

此の時期にしては水気の多い雪礫を伴い、
暖冬と云えど頬を刺すには十分に冷たい風が
吹き付けて参ります。

ふと谷底へと目を遣りますと、
流れているか否かすら判別の付き難い程に
色味を失った渓流が横たわって居るので御座います。

其処へ、色のみならず、足音さえも失った気動車が
何食う顔でも無く新潟へ向けて駆けて行ったので御座います。

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2015.12.22










菜の花を愛でる兎の身の軽き





東北本線 館腰-岩沼
2015.5


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

兎は冬の季語では御座いますが、
此方は季節を問わず生息する、
仙台電車区定期列車最短編成に御座います。

春と初夏の狭間で風に揺れる菜の花に、
身も心も軽く二頭の兎が福島へと駆けて参ります。

今日は今日とて、暖冬とは云え、
厚着の重さが些か身に詰まる季節を迎える
草庵に御座いました。

因みに、非定期の最短編成は、
今夏に捕獲されし此方の兎(?)に御座いましたが、
お見掛けになられた方は居られますでしょうか。

2015.12.15










薫風が揺らす水面(みなも)に映ゆる藍(あお)





石巻線 鹿又-佳景山
2015.5


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

例年に無い暖冬傾向で御座いますが、
御来庵の皆様方に於かれましては、
お変わり御座いませんでしょうか。

さて拙庵はと申しますれば、
公私とも、所謂“年末進行”の時期となり、
非鉄な週末が続いて御座います。

そこで、些か時期が過ぎた茶葉にて誠に恐縮に存じますが、
本年皐月の下旬に点てた一献に御相伴賜りとう存じます。

雲を探すのに些か難儀する程の、或る五月晴れの午前。
水路には勢い能く水が流れ、雑草も色と香りを取り戻しつヽある、
佳い日和に御座います。

刻が経つのも忘れ、
砂時計一本分も目を瞑って居りましたでしょうか、
ゆったりと轍を刻む音が徐々に近付いて参りました。

ベルクロもとうに草臥れた鞄から
徐に写真機を取り出し、
青空を眺めるようにレリーズを落としたので御座います。
2015.12.08










寒風や峰より浮雲吹き流し





東北本線 北白川-大河原
2015.12


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

家内の用事で、庵の近在を廻った、
先日の日曜に御座います。

気温の上では然程でも無かったかとは存じますが、
兎に角、風が強く、体感的には寒う御座いました。

季節も進み、空の蒼さも
心なしか深みを増したように御座います。

厚みのある浮雲が、
蔵王の峰よりぽこんぽこんと流れ来るのを眺め、
家内の用事幾何(いくばく)か、と思った次第に御座います。

2015.12.03










復興の労を癒せり箒雲





石巻線 石巻
2015.11


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

庵に灯を入れる事も儘ならぬ
今日此の頃に御座いますが、
如何お過ごしで御座いましょうか。

当(まさ)に独白に御座いますが、
此の頃は、復興と声高に連呼する事にも
些か疲弊が否めないので御座います。

然様な時こそ、一寸手を止め、
晩秋の高き空を見上げるようにして居ります。

さすれば、
天空高く舞う水蒸気の飛礫(つぶて)が、
欠伸すら面倒な無精者の庵主に代わり、
清々しく深呼吸をしてくれるので御座います。