2015.11.29










大河往く汽車を見下ろす山錦





石巻線 陸前稲井-石巻
2015.11


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

ラヂオやテレビなどで、
年賀状が謳わるヽ時期になって参りました。

我が庵も、昨日は年賀状の準備を中心に
庵族一同、出入りが慌ただしくなって参った
此の頃に御座います。

さて寒暖の差が大きい今日此の頃に御座います。
御来庵の皆様方に於かれましては、
体調は如何で御座いましょうか。

人間は、然様な自然の力の前に
様々な影響を受ける訳で御座いますが、
広葉樹は、人間の眼を愉しませる姿を
見せる訳で御座います。

其の変化は、様々な条件により千差万別に御座いまして、
当に一瞬の出来事と申し上げましても
過言では無いものかと存じます。

さて此の“トヤケ森”と云う小高い山からの眺め、
雪景色等は如何程に御座いましょう。

さぞ綺麗であろう事に胸を躍らせる半面、
登り詰めるには相当の覚悟が必要な事も
容易に想像がつくので御座います。

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2015.11.25










柔き陽に曜(ひかり)も実る米処





只見線 越後須原-魚沼田中
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

巨匠殿をはじめ、数名の御仁に御相伴申し上げつヽ、
寒風を浴び乍ら見遣った先は、
米処の名にし負う魚沼盆地、其の北端の一部に御座います。

昼下がりと夕暮れの合間、
傾ぐには早いと思しき陽光を、
里も河も精一杯に浴し、得も言われぬ輝きを放って御座います。

其の中に歩を進めるは、
庵主が勝手に「昭和の気動車の代名詞」と存じ上げる、
キハ40系列に御座います。

諸先達方に導かれ、
此の光景に立ち会わせて頂いた事こそ、
片道四時間、角籠を駆った甲斐が有ったと云うもので御座いましょう。

併し、俯瞰の一献は、
恥ずかし乍ら煎じ始めたばかりの、新種の茶葉に御座います。
まだまだ此れから点て方を学ばなくては。


2015.11.23


 
 
 
 
 








人と汽車交わる門に陽は差して





石巻線 石巻
2015.11


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

改札口と申しますのは、
様々な人間模様を垣間見る事が出来る場所であると
思うので御座います。

年齢、性別、時間帯も然る事乍ら、
矢張り其の目的こそ、千差万別かと存じます。

千差万別で在るが故に、
実際に生まるゝ光景も変化に富んで御座います。

そして其れらがほぼ漏れなく
“改札を通る”其の一点に収斂さるゝ様子に、
人と鉄道との関わりが凝縮されているのではないかと
思うので御座います。

2015.11.21










時を経た車窓も吾が身の装いも





東北本線 名取-館腰
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

陸奥の大動脈を支えた韋駄天の末裔は、
時代の移り変わりと伴に其の身の装いを大きく変え、
足許にのみ往時を感じさせるのみと成りまして御座います。

一方、仙台の衛星都市として発展してきた此方の界隈は、
其の地の利から、時代の移り変わりと伴に風景を一変させ、
見渡す限りの住宅地が広がって御座います。

彼の列車は、其の窓に映す景色が刻々と変わりつゝも、
轍と電動機の音を往時と変わらず響かせて、
今日も東山道の何処かで、健脚を披露している事に御座いましょう。

2015.11.18










箱庭の中の庭こそ歴史秘む





只見線 越後須原
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

越後須原の駅の至近に、
江戸中期の豪農、目黒家庭園が御座います。

目黒家とは、しばしば飢饉に襲われた此の地を、
幾度と無く窮地から救った名士だそうで御座います。

元々は糸魚川藩の武士として起用され、
此の地に帰農して後に、
此方の一献に点てさせて頂いております「池泉式回遊園」と
大きな母屋を立てたそうに御座います。

数百年の時を経て、目黒邸の池が映し出す空は、
果たして今日も同じように澄んでいる事で御座いましょう。
2015.11.14










壮大な箱庭の隅往く椛





只見線 上条-越後須原
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

先月末、新潟県の山奥にて試した「超」俯瞰の続きに
ご相伴賜りとう存じます。

何分、写真機を手にしてから、
主に接近戦にて一献を点てて参りました某に御座います。

此処まで線路より遠い上空から汽車を見下ろすなど、
殆ど産まれて初めての経験に御座いまして、
全く以って勝手の分からぬ儘に写真機を振り回し、

やれ、今此処に居ただの、今度は彼方から出てきただの、
豆粒の如き気動車を追い駆けるのに必死で御座いまして、
まだまだ修行の足りぬ事が身に沁みた一献にて恐縮に存じます。

斯様な顛末にて、普段の一献よりも尚の事更に、
居合わせた諸先達方に指南を頂きつゝの一献に御座います。

壮大な箱庭の隅を慎ましく進む気動車(椛=もみじ)に、
晩秋の清冽な空気を垣間見て頂けましたなら、
望外の幸甚に御座います。

さてその椛にて、もう一献点てさせて頂く事と致しましょう。
宜しければ、御笑覧頂きとう存じます。

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只見線 上条-越後須原
2015.10

2015.11.11










紺碧の波紺碧の空遥か





羽越本線 吹浦-女鹿
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

縦構図は「逃げ」と取る向きも多いかとは存じますが、
僭越乍ら此処は「茶柱が“立つ”」と云う事にて
ご容赦頂きとう存じます。

冷や汗を堪える時間も束の間、
あれほど沸いていた雲は何処へやら。

此処まで青々とした空を見せられますと、
此の空と見事に凪いだ海原を主人公にせぬ訳には
行かぬ性分に御座います。

庵主の知らぬ遙か遠くに掛かる霞は、
碧海と碧空の仲を見事に取り持っている様に御座います。

折角の仲を邪魔せぬよう、
名だたる昭和の名機が、足音を忍ばせて歩み行く──
或る日当たりの良い谷間に御座いました。

2015.11.09










あの波も越えて目指すは





仙石線 野蒜-東名
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

あの未曽有の災禍を端的に伝える標示物が、
沿岸部の至る処に掲げられて御座います。

果たして此の大波を乗り越える事の出来た鉄路は
幾許だったので御座いましょう。

利潤を追求すべき民間企業であるからこそ、
取捨選択は必定の理かと存じます。

だからこそ、
自ら“選択した”インフラに対する責任は、
民間企業である事の「甘え」など通じない程に
大きく重いものかと拝察申し上げます。

具体的には、
此の列車に描かれた英雄の如き理想論を
理想論として片付ける事無く、
現実のものと為すべき重責かと存じます。

2015.11.07










節穴の名誉挽回する秋葉





仙石線 陸前富山-手樽
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

紅葉と直流電車の組み合わせを求め、
限られた時間の中で行ける所迄行こうとした迄は
良かったものの、

中々思うように行かないもので御座います。

残り時間が迫る中、線路際を彷徨っておりますと、
庵主の“まなぐ”の如き隧道が一つ、
小高い丘の根元に穿たれて御座いました。

其の向こうを覗き込みますと、
日蔭と日向が交互になっているようで、季節感と云うよりは、
解釈の難しい光の造形が為されているようで御座います。

手前は、と申しますと、殺風景な坑口をそっと覆うが如く、
色づいた広葉樹が点在し、何方かと申せば
庵主の大して厚みの無い大脳新皮質でも
理解出来そうな光景に御座います。

結果、紅葉で覆い切れない坑口は陰で隠してしまうと云う
些か不精な一献となり、恐縮至極に存じます。

2015.11.04










舟浮かべ曇る鏡に紅を差し





仙石線 陸前大塚-東名
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

今一つ映えぬ空模様乍ら、
沿線に点在する牡蠣の水揚げ拠点は、
僅かに水面が揺らぐ程度で御座いました。

其の内の一か所にて写真機を構え、
吹き来る風に肌寒さを覚えるのも束の間、

暗さを増した水面に僅か乍らの紅を差し、
仙台からの快速列車が。

空模様と相反し、
軽やかな足音を残して
水際を駆け抜けたので御座いました。

2015.11.02










野も山も色落つを観て襟を立て





只見線 上条-越後須原
2015.10


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

早くも色を落とし始めた、と申しましょうか、
冬枯れの色合いを見せる、魚沼の夕暮れに御座います。

T木在住の巨匠殿と共に、見晴らしの良い尾根に
立ったまでは良かったので御座いますが、

兎に角寒風吹き荒び、
見た目にも体感的にも厳しいものが御座いました。

着ていた服の襟を目一杯に伸ばしつヽ、
枯れ色の中に目立つ色乍ら、
豆粒の如き汽車を写真機で追ったので御座います。

場所の手解きを頂いたT木の巨匠殿、そして
お名前を存じ上げず恐縮では御座いますが、
現地で見失い掛けた線路の場所の手解きを頂いた方、

この場からで恐縮に存じますが、
御礼を申し上げる次第に御座います。