2015.03.19










珍客





東北本線 仙台
2011.11


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御来庵頂き、誠に有難う存じます。

震災の臨時輸送の余波は此処にも、
とでも申しましょうか。

御来庵の皆様方に於かれましては、
さして珍しくも無い光景では御座いましょうが、
此方の御仁に取りましては、
“見た事のない「電車」”だったので御座いましょう。

胸元から徐に携帯写真機を取り出し、
前から後ろからと二点ほど写し取っては、
何処の誰ぞかに電信を入れている様子に御座いました。

確かに庵主も、通勤客でごった返す仙台駅しか
思い浮かばない口で御座いますので、
此方の御仁に共感した次第に御座います。

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2015.03.15










明くる日の 勤めなきとて 轍鳴く





東北本線 白石-越河
2015.3


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すっかりご無沙汰してしまいました。
御久しゅう存じます。庵主に御座います。
ご来庵の皆様方に於かれましては、息災で御座いました事、
拝察申し上げます。

年明け以降、
資格試験だ何だと「是(これ)当(まさ)に忙殺」と
云わしむる日々に御座いまして、
漸く本日、踊り場に立つ事が出来た次第に御座います。

さて、庵主が斯様に忙殺されているうちに、何と、
昨夏、庵主一家が一宿を所望した「北斗星」が
最期を迎うると申すではありませんか。

前日、自身の勤めを無理矢理終わらせ、
札幌行きを見送らんと白石駅に馳せ参じますれば、
乗降場には既に幾人かの“参列者”が。
庵主は乗降場へも間に合う術も無く、
歩道橋上からのお見送りと相成りまして御座います。

さて翌朝、愈々以って最期の日。
今度こそ正礼を以って其の姿を見納めんと、
白石市斎川に聳える独立峰(と言えど身の丈五十五間ほど)、
「金華山」の麓へと角籠を駆って参じました。

彼の山は、白石市南部の象徴。
そして白石市の代表的な鉄道風景の一つでも御座います。
予てより此の画角にて一献を点てねば、と思案していたものの、
其の機会はなかなか訪れず。

此度、然様な一献を点てる機は遂に来たれり。

登場した年と、没する一年前に。
幼少の砌と、成人した後に。

其々一宿を求めた其の思い出が、
たいして大きくも無い庵主の脳裏を、
走馬灯の如く過ぎるので御座いました。

ほぼ一月ぶりに扱う架台と写真機。
其を据える手もおぼつかず、距離構図全てが甘く──
と云った趣では御座いましたが、
庵主なりの思いを込めて一献を立てさせて頂いた次第に御座います。

そう、二度と立てる事の叶わぬ一献に御座います。