2017.07.20











駅裏の駅






仙石線 (旧)仙台
1996.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

実家に残して来た私物の整理に勤しんでゐた折、
斯様な一献を発掘して御座います。

宮城野区の東九番町界隈が、
現在とは懸け離れた景観を保持してゐた頃、
此の近辺は“駅裏”と呼ばれて御座いました。

其の雑然とした街並みは、
再開発の波から完全に取り残され、
旧仙石線と共に、昭和其の物で在ったかと
存じます。

仙台駅の、巨大で洗練された構造物の裏側に、
突如現るゝノスタルジア。

其処へ向かう地下連絡通路は、
或る種の時空隧道だったので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2017.05.25










碧空に
淡く紫煙の
棚引ける






仙石線 陸前山下-石巻
2017.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

架線下の紫煙で
一献を煎じると云う長年の想いが、
極く一部乍ら、漸く成就して御座います。

其れも、雲一つ無い青空と、
仙石線の組み合わせ。

或る種の黄金比的な物を感じつゝ、
鏡筒を覗き込んで僅か数秒、
車輪の軋む音、原動機の唸りが
耳に飛び込んで参ります。

併し其処からが、列車の牛歩と相俟って、
良い意味で些か長く感ぜられ、

何の当ても無い乍らも、
徒然に市内を目指して良かったと
思えたので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.01.23










潮の香を
街に届けて
十三里






仙石線 蛇田-陸前山下
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

仙石線と東北本線を短絡する路線が出来るなど、
庵主が学生の時分には思う由も無き事に御座いました。

石巻までの全線複線化や退避設備の増設、
主要駅での緩急接続を妄想する程度が精々で在ったかと。

極力小額の投資で最大の効果を得る、
斯様な発想も民営企業ならではの事と存じます。

併し乍ら、営利企業であると同時に、
鉄道と云う大きな社会の公器を運営してゐる事は、
殊、地方の小都市に於いては、
繊細な経営感覚を要する事に御座いましょう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.10.13










ビルヂング
染めて家路の
急きもせず






仙石線 下馬-多賀城
2016.10


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

いつの間にか夜虫も声を潜め、
月明かりも澄み渡る頃合と相成りまして御座います。
皆様方に於かれましては、如何お過ごしで御座いましょうか。

庵では、先日暖房機が登場致しました。
其の僅か二週間程前迄は、扇風機が懸命に羽を回して居りました。
斯様な迄に気候が落ち着かなかった晩夏も珍しいかと存じます。

青春を捧げ学び、あるいは懸命に勤労した皆様方を乗せ、
通勤電車がビルヂングの脇を駆け抜けて参ります。

朝晩の冷え込みも例年に近きものと相成り、
漸く落ち着きを見せつゝある空模様かと存じます。

そして、木々の色付きが日々増して来る中を、
銀色の電車が淡々と行き来するので御座います。

線路端に佇む庵主には、斯様な日常が
何物にも変え難いものの一つとして感ぜらるゝので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。


2016.10.11










海沿いに
彩り差して
往く高架






仙石線 本塩釜-東塩釜
2016.10


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

狭い裏路地を抜け、驚くべき勾配の坂道を抜け、
やっとの思いで見晴らしの良い場所に出て御座います。

此の湊街は、物心両面で奥深さを感じるので御座います。

密集する住宅、高低差の大きな街並み、
僅かな平野部を占拠するが如く屹立する起重機、
そして電車の高架。

曇り空も相俟って、色味の少ない町並みには御座いましたが、
電車が効果を通り過ぎた処から順に、
彩度が増した如く見えた、或る高台に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。