2017.02.02










山望み
柔き日を浴む
其の麓






東北本線 北白川-大河原
2017.1


***************

本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

先日、斑鳩の近隣より戻りし彼の車、
別な鉄瓶にて点てた一献に御相伴賜りとう存じます。

胸の空くような冬晴れとは行かずとも、
柔かき陽光が降り注ぐ里を、
齢(よわい)を感じさせぬ足取りで
駆け抜けて参ります。

軈て来る、春を思わせる陽気に御座いますが、
此の列車は、此の季節を待たずに辞世するので
御座いましょうか。

而して、此の姿を以て、
庵主と583系交直流特急型電車との邂逅は、
追憶の中のみに在る事と相成りまして御座います。

余りにも呆気無く、余りにも静かな終幕に、
現場に於いては些かの狼狽の余地すら無く、
今頃に成って、幾つかの想いに、
静かに浸ってゐる処に御座います。

願わくば、今再び、
其の雄姿に相見えん事を──

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

スポンサーサイト
2017.01.30










ゲレンデも
白く光りて
奥州路






東北本線 北白川-大河原
2017.1


***************

本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此処で此の名車を眺めるのは、
此れが最後の機会と為るので御座いましょうか。

昭和四十二年の月光型の登場から、
半世紀の長きに亙り、長距離移動の需要を支え続けた名車も、
愈々終焉の刻を迎うる様に御座います。

俄かには信じ難い事に御座いますが、
其れは御来庵の皆様方にとりましても
同じ事かと存じます。

此の日、宮城蔵王のスキー場が、
其々のゲレンデに斉しく雪を載せ、
冬の太平洋側らしく、淡き陽光を照り返し、
遠目にも其の形が分かるように為って御座います。

残念乍ら、手元に一献が見当たらないので御座いますが、
こうした雪山に、嘗て幾人もの行楽客を運んだ事も御座いました。

或る時は朝靄の中を
或る時は月光の下を
また或る時は雪霜厳しき折を
当に昼夜を問わず、全国を駆け巡ったので御座います。

此の列車が日本と云う国土に齎した数々の功績は、
尚更に注目されるべきものと、
個人的には斯様に思うので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.01.28










裾に雪を纏い
蒼白の刻を往く






東北本線 北白川-東白石
2017.1


***************

本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

太陽光の波長と、
微細な氷の結晶の集合体が持つ反射率により、

夕暮れの空が、
辺りを満たす大気迄も染めてゐる様に御座います。

更に其の色に紛るゝが如く、
寝台電車が目の前に現れて御座います。

そして其の列車の目指す先は、
此の夕暮れの遙か向こう、
遠く斑鳩の里の界隈に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.01.27










隧道に
燈火望みし
蒼の刻






東北本線 北白川-東白石
2017.1


***************

本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

本日の一献は、開庵以来最大の
庵主の失態を独白を添えたものである事に
御了承を賜りとう存じます。

此の日、幾つかの所用をこなし、
此処に辿り着いたのは、所定の時刻の四半刻程前。

そして此の時点で、
何と、鉄瓶(写真機)が有るのに
茶漉し(記憶媒体)が無い事に気付くので御座います。

急遽、茶漉しを用意すべく、
凍結路面での滑走に怯えつゝ角籠を駆り、

家電量販店から命からがら戻って参った時には最早、

庵主の顔面と同様の、蒼白の空気に包まれた中を、
素知らぬ顔で駆け抜ける主役が目前だったので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.08.22










夕闇に旅情溶かして燈火往く





東北本線 東白石-北白川
2016.8


***************

本日も、御来庵賜り、誠に有難う存じます。

蔵入り茶葉にするのも些か忍び無く、
引っ張り出してみた迄は良かったので御座いましょうが──

此の車の持つ、何と云うか、空気感で御座いましょうか、
兎に角、此の車を前に致しますと、
写し留めるのに四苦八苦するので御座います。

是も偏(ひとえ)に、庵主の語彙の少なさと
一献を煎じる技量の少なさ故と
理解してこそゐるので御座いますが…。

結果的に、夕闇に紛れ「させた」のでは無く、
紛れて「しまった」ので御座いまして、
其れも、車輛そのものでは無く、
其れ以外の何かも多分に紛れてしまったので御座います。

本日も、御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。