2017.05.10










葉の翳の
揺れる水面に
止まる刻






常磐線 逢隈-岩沼
2017.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

雲が一面に広がり、
時折雨さえ降る黄金週間の終盤に御座います。

強弱を繰り返しつゝ吹く風に、
阿武隈川の水面の揺らぎは留まる処を知らず、
映し出す雲の色に皺を刻むので御座います。

畔に立つ一本の木に生い茂る若葉の瑞々しさは
此の曇り空で却って瑞々しく見えるので御座いますが、

川面に映し出された若葉の色は、
絶え間なく打つ漣で、辛うじて緑と判る位となり、
其れが亦、時間の移ろいを忘れさせるので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2017.04.28










宙を跳び
水を濁さぬ
日々の脚






常磐線 逢隈-岩沼
2017.4


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

「夕暮れ」と云うだけで、之だけ画を為せる場所が、
庵主の巡回経路上に在ったのかとさえ思えた、
一日の終わりに御座います。

其処には明らかに流れが存在する筈、
併し、水面の揺らぎは極僅かにて、
鉄が擦れ軋む音すら、素知らぬ顔をしてゐるが如く
御座います。

或いは、河を跳び渡る列車が、
新参者である事を自覚してゐるが如く、
相当に気を使ってゐるので御座いましょうか。

此の気遣いが、やゝもすると、
背後に林立する工場群の騒音さえも
掻き消してゐるのかも知れないので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.14










清冽な
気を貫きて
河越ゆる






常磐線 逢隈-岩沼
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此処半年、庵事の間隙を縫っての野点と成ってゐる為、
どうしても夕暮れ時の一献が多く成って御座います。

にも関わらず、御相伴を頂いて居ります皆様方には、
改めて心より御礼を申し上げる次第に御座います。

さて、此の週末は、珍しく些かの積雪を見た
庵近在に御座います。

昼八ツを過ぎ、陽も傾いで来たからか、
雪が止んでからの方が肌寒さを一層感じて御座いました。

土手に佇みますと、阿武隈川を通り抜ける風も、
其の清冽さを増した事は明らかで、
鏡窓の狭い視野を通しても伝わって来るので御座います。

尤も、北の大地のあの光景には
到底敵わぬ訳では御座いますが。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.07










真新し
混凝土に
明日を見て






常磐線 坂元-新地
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

前日までの晴天とは一転、薄雲の立ち込める太平洋側。
内陸移設と一部高架化で“強い常磐線”に生まれ変わる
丁度一週間前の一献に御座います。

今後、通常旅客列車だけで無く、
何かしら興味深い列車が来る事もあろうかと、
庵事の合間に、野点の場所探しに御座います。

高架線に為っただけの事は有り、
見晴らしの良い場所は点在して居るので御座いますが、

試運転列車の時刻も何の情報も持たぬまま参じた事もあり、
矢張り、一刻程の制限時間では攻略し切れず、
諸先達方の仰せの処の“再履修”と成りましょう。

真新しい混凝土(=コンクリート)の路に
一歩を踏み出し、早一ヶ月。

長寛な田園風景の間に間に、遠く海を望むと云う車窓は
過去のものと為りまして御座いますが、

白い輝きを放つ路盤は、現在から未来を繋ぐ重要な使命を、
永きに亙り務め果(おお)せる事で御座いましょう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.06










暮れに海原を溶かし
寒風愈々身を拭う






常磐線 逢隈-岩沼
2016.11


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

明日以降の週間天気予報に、
遂に雪の報が登壇して御座います。

御来庵の皆様方に於かれましては、
御風邪など召されては御座いませんでしょうか。

昨日より、常磐線の浜吉田から相馬迄の区間で、
試運転が始まった様に御座います。

普段は見る事の無い、僅か二両編成の列車が、
益々短く見える長い鉄橋をゆっくりと渡り往く夕暮れに御座います。
おそらく、是が当該区間の試運転列車に御座いましょう。

何れにせよ、漸く、仙台より小高迄が、
一本の鉄路で結ばれようとして御座います。

此の地域にお住まいの皆様方に於かれましては、
心待ちに待った運転再開に御座いましょう。

試運転とは云え、列車の往来が再開された事、
遠く日落つる処の丘の上より、
小(さゝ)やか乍らお祝い申し上げた次第に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。