2017.06.06










旅人の
眼に映りしは
花水木






磐越西線 山都-喜多方
2017.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。
未だ消化器系に変調を来してゐる庵主に御座います。

谷を一跳びする列車の窓には、
今日も幾何かの旅人の姿が御座います。

其の数は、決して多いとは言えないので御座いますが、
其の事が、列車の旅を尚一層穏やかなものに
してゐるのではないかと拝察するので御座います。

此方側の席にお座りの客人の皆様方は、
一様に一の戸川の下流に開ける河岸段丘の広がりを
眺められてゐる様に御座いますが、

其の逆側の車窓も亦、
花水木の可憐な花や、薄っすらと姿を見せる飯豊連峰など、
心透く様な素晴らしい眺めに御座いましょう。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2017.05.29










薫風に
似たる揺らめき
息遣い






磐越西線 山都-喜多方
2017.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

風が吹けば肌寒く、風が止むと蒸し暑く。
是を一日繰り返してゐた、此の日の西会津。

其の繰り返しも幾度目かを数えた時、
吹き渡る風の中に、僅かに熱気が
感ぜられて御座います。

漸く皐月らしき風が、と思うのも束の間、
油が焦げる薫りが些か混じってゐる事に
気が付き、

其の出所を見遣りますれば、
排気瓦斯で背景を震わせつゝ、
谷間を一跳びする気動車の姿が御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2017.05.28










一ノ戸の
谷間に淡く
添うる藤






磐越西線 山都-喜多方
2017.5


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

何の情報も持たず、所要の合間を縫い、
一ノ戸川の河岸段丘の縁に降り立ちて御座います。

此の時期の此の界隈にしては、些か肌寒い風が
向こう岸から吹き付けて参ります。

飯豊の山々は、
其の姿を見せたり隠したり、勿体を付けるが如く在り、
また違った意味で、飽きる事の無い景色が
展開されて御座います。

強弱を繰り返しつゝ、止む事無く吹く風に、
藤の花がなびく時、

年を重ねた桃に良く似た、淡い藤色も、
皐月の風に溶け出して行くので御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.29










茂る葉を
潜りて涼む
峠道






磐越西線 磐梯町-東長原
2016.6


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本日も、ご来庵賜り、誠に有難う存じます。

また、昨日に引き続き、
時節を大きく外れた一献を重ねまして、
恐縮至極に存じます。

梅雨の晴れ間の峠道、
湿気と相俟って、暑さも一入かと存じます。

生い茂る緑の下を潜りつゝ、
初夏の陽射しを和らげ、涼を摂る峠道に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.11.10










頂の
先の先まで
樹々湛え






磐越西線 磐梯町-東長原
2016.6


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

人間と云うのは現金なものに御座いまして、
あれ程厭だった蒸し暑い時期が恋しくなって御座います故、
些か熟成した一献にて恐縮に存じますが、
点てさせて頂きとう存じます。

其の山体の雄々しさも然る事乍ら、
麓から頂まで程良い濃さの緑に全身覆われてゐる様は、

これから夏へ向けて、生命を謳歌する喜びを
其の全身を以て表現してゐるかの様で御座います。

梅雨の晴れ間、水無月にしては些か蒸し暑く、
盆地の縁に滞留した熱気を吹き飛ばすが如く、
牛歩とは程遠い韋駄天振りで
一陣の涼風を届けてくれたので御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。