2016.12.22










頂を
寿(ことほ)ぐ酒宴の
道すがら






羽越本線 遊佐-吹浦
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

私事では御座いますが、
庵人の体調を気に掛けつゝ、
日々の雑事にも追われて御座いまして、

例年の師走より、些か忙しさが増してゐる中での
一献に御座います。

何と申しましても、
頂まで姿を見せた鳥海山と彼の列車の組合せに優る一献は
今までの所、点てる事が出来てないので御座います。

あの日、あの光景が恋しくとも、
そして仮に、斯様な時間が出来たとしても、
再度相見える可能性は殆ど御座いません。

僭越乍ら、其れこそが、
野点をする面白さであり、厳しさでもあるものと
存じて居ります。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

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2016.12.06










在り難き
神の裾野に
息を呑み






羽越本線 遊佐-吹浦
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

彼の山は、仮令(たとえ)雲が掛かってゐても、
其の圧倒的な存在感が漏れ伝わって来る
ので御座いますが、

雲一つ無い快晴と申しますのは、
此処まで威力が有るものに御座いましょうか。

此の光景に相見えた瞬間、九十里程の旅程の疲れも、
長い嘆息と共に、一気に吹き飛んだので御座います。

思いがけず、雲量「零」と云う駄賃まで付き、
充足感で満たさるゝと同時に、帰路迫るに当たり、
強烈に後ろ髪を引かるゝ思いに苛まれたのも正直な処に御座います。

此の儘、角籠に籠りつゝ、明日一杯迄、此の路線を堪能したい。
併し、明日は庵の行事が。
斯様なもやもやを抱えつゝ、“宛の無い帰路”に就いたので御座います。

此のもやもやが奏功してか、
其の“宛の無い帰路”に生じた嬉しい顛末とは──

ちなみに、此方の陸橋、庵主到着後に、
御父様と御子息…で御座いましょうか、
御二方お見えに成って御座います。

御子息殿より、礼儀正しく御挨拶を頂戴し、
庵主もつられて「お疲れさまでした」。

礼に始まり礼に終わるのは、如何様な状況でも同じで御座います。
御相伴を賜りました御二方に、襟を正して頂きました。
誠に有難う存じました。

本日は、駄文長文に御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.04










鳥海を
染め上げ今日の
陽も傾ぐ






羽越本線 南鳥海-本楯
2016.12


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

鳥海山と羽越線の組合せは、
出不精な庵主が嘗て其の麓へ足繁く通う程に、
斯くも此の上無く人を惹き付けて止まぬ存在であると存じます。

特に、頂の切っ先まで姿を見せる事自体、
彼の山に関しては珍しい事の様に御座いまして、
今回は当に望外の幸甚を浴した事と相成りまして御座います。

其のお蔭で、
例年より少ないとは云え十分な量の雪を冠した頂が、
没する直前の幽かな夕陽の朱に染まる光景を、
一抹の雲も無く此の目に焼き付ける事が出来たので御座います。

此の神懸かり的な光景を共にし、
愉しいお時間と有意義なお話を頂きました、
麦酒王殿、食列車殿、雨宮殿89貨物殿に、
草庵からで恐縮至極に存じますが、
心より御礼を申し上げます。

当ても無く帰路に就く(?)途中の線路端で
多くの皆様方にばったりお会い出来ました事は、
日頃より出不精な庵主に取りまして、
今年一番の幸運に御座いました。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.02










風温くみ
山の微笑に
花添うる






羽越本線 仁賀保-金浦
2012.4


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

此処数日、完熟茶葉の一献に
御相伴を頂戴し、恐縮に存じます。

麗らかな晴れ間が広がる日本海側は、
比類無き過ごし易さが在るものと存じます。

風は穏やかに成り、根雪や吹き溜まりも消え、
陽は差してゐるものゝ、突き刺すが如くの訳でも無く、
晴れ間は有るものゝ、真っ青な訳でも御座いません。

櫻の色や陰影まで、凡てが穏やか。

冬の厳しさに想いを馳せる事無く、
いっその事、此処に住み着いてしまおうとさえ思う、
独りの余所者に御座いました。

そして其処に、誉れ高き名山と、
昭和産まれの列車が在るなら、
尚の事に御座います。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。

2016.12.01










躍り出た
先の磯場の
穏やかさ






羽越本線 小砂川-上浜
2012.4


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本日も、御来庵頂き、誠に有難う存じます。

日本海の磯場は、様々な表情を持ち、
適度な高低差で多くの人を魅了して御座います。

羽前と羽後の国境付近も例に漏れず、海と山が程良く接し、
人間が立ち入る余地を与えてゐる様に御座います。

冬の荒海とは一線を画し、早い時期に凪が訪れた
此方界隈の海。

自然の地形の借り受けを最小限に留めて敷かれた線路。
其処を、籠を連ねた昭和の名機が穏やかな磯場へと
躍り出て参ります。

急ぐでも、鈍るでも無い其の速度は、此れも亦、
気候風土へ溶け込まんとする、列車の思い遣り
──とは、過言に御座いましょうか。

御相伴賜り、誠に有難う存じました。
又の御来庵を、心よりお待ち申し上げて居ります。